AGV(無人搬送ロボット)とは?|搬送工程を自動化する最新物流ロボットを解説

by OtsukaAyaka

AGV(Automatic Guided Vehicle)は、無人搬送車や自動搬送車と呼ばれる、近年注目のロボットです床に磁気テープを貼るなど何らかのガイドに基づいて動作し、自動でモノを目的地まで運ぶことができます。形状もさまざまで、フォークリフト型、積載型、牽引型など用途に合わせたタイプがあります。

AGVとは?


AGVとは、「Automatic Guided Vehicle」の略称で、無人搬送搬送車、無人搬送ロボットのことを指します。AGV自体の歴史はなかなか古く、1980年代頃から活躍しています。床に磁気テープやQRコードを設置し、そこから発せられる磁気によって走行を行うものが一般的ですが、近年ではセンサーやAIの搭載によって、より柔軟に動けるようになってきています。

物流業界では搬送工程で使用されることが多く、重い荷物の搬送を代替することで作業者の負担を軽減し、生産性向上に貢献します。

AGVとAMRの違い


AMRとは、「Autonomous Mobile Robot」の略称で、自立走行搬送ロボットのことを指します。次世代型AGVの一種で、人と協業することを前提とし設計されています。タブレット等の指示で自由自在に動き、人や障害物を自動で回避することができます。AGVとの大きな違いは、導入時に磁気テープなどのガイドを設置する必要がない点です。

AGVを導入するメリット


AGVの市場は年々拡大しており、日本産業車両協会の調査によると2019年の納入台数は3,436台と、過去最高の数字を更新しています。

では実際にAGVを導入することによって、どのようなメリットが生じるのかを見ていきましょう。

・作業者の負担軽減

近年、物流業界では人手不足が蔓延化してきています。更にはコロナウイルスの影響もあり、作業者を確保したとしても現場に派遣できないケースも多くあります。そういった状況でも現場を止めるわけにはいかず、作業者の負担は増える一方です。AGVの導入によって、重い荷物の搬送や、長距離の移動等、作業の一部を人からロボットに代替することで作業者への負担は大きく軽減されます。

・人為的ミスの削減

人が作業を行う場合、どれだけ気を付けていても、作業者が人である以上間違いを起こすことはあります。AGVによるピッキング作業になれば、あらかじめ設定されたデータに元づき動くため、商品の取り間違いなどのミスは基本的になくなります。

・レイアウト変更の柔軟性

設備導入後に工場内のレイアウトを変更する場合、固定設備の改造に時間やコストがかかってしまいます。AGVの場合、磁気テープやQRコードが書かれたシールを貼り直すことで、比較的容易にレイアウトの変更を行うことができます。工場内のレイアウト変更がフレキシブルに行える点もAGV導入の大きなメリットです。

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AGVのタイプ別特徴


AGVには様々な種類がありますが、今回は代表的な三種類をご紹介します。

①磁気テープ式

床に磁気テープを設置し、仮想レールをつくりその上を走行します。床に磁気テープを設置する手間はかかりますが、基本的にはレールをはみ出さず、迷子になったりもしないため、走行性能の安定性は高めになります。また、シンプルな分、他のタイプよりも低コストで導入が可能です。

②QRグリッド式

床にQRコードが書かれたシールを一定間隔に設置し、その上を通っていく形式になります。一番の特徴としてあげらるのは郡制御ができる点です。一つのシステムで、一度に数十台をコントロールすることが可能です。また走行性能、導入コスト等のあらゆる面から見て、一番バランスの取れたタイプといえます。

③SLAM式

床に何かを設置する必要はなく、本体に取り付けられたビジョンシステムによって周囲の環境を認識し、障害物等も自動で避けることができます。いわゆるAMRと呼ばれるタイプです。上記二つのタイプとは異なり、無軌道式と呼ばれるタイプで、一番自由度は高くなっています。その一方で、磁気テープ式、QRグリッド式のような有軌道タイプに比べると走行性能が低く、導入コストが高いという一面もあります。

下記に、タイプ別の特徴を簡易的にまとめてみます。

どのタイプにも一長一短があり、導入するにあたっては様々な要件に合わせた検討が必要です。

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MujinのAGVソリューション


今回はAGVについてご紹介しました。今後はさらに加速度的に自動搬送化が高まり、AGV・AMRの市場規模は約35%の成長率で2026年には132億米ドルに達すると予想されています。

Mujinではパレット搬送に特化したQRグリッド式AGVを提供しています。AGV導入にご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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