モノの運搬を担う物流現場では、コンベヤやソーター、自動倉庫など様々な物流機器が活躍しています。今回は物流機器の中でも、特に手軽で活躍の場が広いカゴ車・カゴ台車の種類やメリット・デメリット、選び方のポイントなどを解説します。
カゴ車・カゴ台車とは?
カゴ車とは、格子フレームで覆われたキャスター付きの台車のことを指します。別名「カゴ台車」「ロールボックスパレット」「カゴテナー」などとも呼ばれています。カゴ車の素材や形状は様々ですが、スチール製の柵で三面が囲われているタイプが一般的に広く使用されています。三面が囲われているため荷崩れがしにくく、重いものや大きいもの、一度に沢山のものを運搬することが可能です。また、使用していない際には、折りたたんでスペースを取らずに保管することもできます。
カゴ車・カゴ台車の活用シーン
カゴ車はスーパーやホームセンター、物流センターなど幅広いシーンで活用されています。スーパーやホームセンターなどの小売店舗では納品後の商品の品出しに使用でき、そのまま商品棚として活用することもできます。物流センターでは商品の移動や、トラックへの積み込みに使用されています。また、∗¹パワーゲートを使用すれば、商品をカゴ車に積載したままトラックへの積み込み、荷下ろしができ作業者の負担を軽減してくれます。
∗¹パワーゲート:車両後部に取り付けられている昇降装置のこと
カゴ車・カゴ台車のメリット・デメリット
カゴ車を使用するにあたってのメリット・デメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット
- 側面を柵で囲われているため荷崩れしにくい
- キャスター付きのため、軽い力でも運搬できる
- 使用していない時には折りたたんで保管できるため、スペースを有効活用することができる
デメリット
- 袋物や、重ね積みできないものなど、一部カゴ車での運搬にて適さないものがある
- トラックへそのまま積み込む場合、パワーゲートなどの昇降装置が必要
- トラックに積載できるカゴ車の数は限られているため、バラ積みと比較すると積載効率が落ちる
カゴ車・カゴ台車の種類
カゴ車には大きく分けて二つの種類があります。
一つ目は、側面三面が格子状の柵で囲われているタイプです。こちらが一般的に広く使用されているタイプになります。荷物が取り出しやすい反面、段差などにつまづいた場合、荷崩れがおきる恐れがあります。
もう一つは、観音扉タイプです。普通のカゴ車とは異なり、側面全面が柵で囲われているタイプです。開口部は扉が左右に開くようになっており、大きな荷物の出し入れも問題なくできます。また、全面が柵で囲われているため荷崩れの心配がなく、より安定した状態で荷物を運搬することができます。
カゴ車・カゴ台車を選ぶポイント
カゴ車の選び方について、いくつかポイントを紹介します。
①サイズ・耐荷重
カゴ車を選ぶにあたって、まず何よりも大切なことは、荷物や使用する現場に適したサイズ・耐荷重であることです。サイズが大きいほど一度に多くの荷物が運べますが、現場によっては狭い通路が通れない、エレベーターに乗せることができないなど、かえって使い勝手が悪くなってしまう可能性もあります。用途に沿った適切なサイズ・耐荷重のカゴ車を選定しましょう。
②天板の材質
カゴ車の天板の材質は大きく分けて二種類あります。
一つ目はスチール製です。耐久性が高いため、重量物も安心して積載することができます。その分、樹脂製と比較すると自重は重く、また錆びやすいという一面もあります。
もう一つは樹脂製です。樹脂製の特徴としては軽量でサビに強い点が挙げられます。天板を水洗いすることもできるので清潔に保つことができるもの特徴です。一方でスチール製のものと比較すると耐久性が落ちるため、荷物へ天板の割れた破片が混入する恐れがあります。
③保管効率
カゴ車を使用しない際には、折たたんで保管できる点をメリットとして紹介しました。カゴ車の折りたたみ方は二種類あり、天板をあげて片方の側面を折りたたむL型タイプと、両側面をたたんで更にコンパクトになるI型タイプがあります。一般的に広く流通しているのはL型タイプですが、I型の方がより保管効率は良いと言えます。
カゴ車・カゴ台車への積み付けを自動化
今回はカゴ車についてご紹介しました。物流業界の運搬工程において、なくてはならない機器となっているカゴ車。実はカゴ車への出荷積み付け作業はロボットで自動化が可能なのはご存じでしょうか?
Mujinが提供している、積み付け自動化ソリューション「MujinRobot パレタイザー」では、飲料ケースなどの重量物でもカゴ車にそのまま積み付けること可能です。ご興味がございましたらお気軽にお問合せ下さい。